いつもありがとうございます!
北品川読書会のタカです。
11/22(日)にはじめての北品川読書会を開催させて頂きました!
皆様のおかげで親密で知的な学びの時間を過ごすことができて、すてきな体験でした。
実績ゼロの謎多き読書会に勇気を出して参加していただいた皆様、本当にありがとうございます!
正直、想像以上にうまくいって戸惑っています。
当初2,3人だろうと思い、ネット生配信でもしながら色々試そうと思っていたのですが、なんと初回から総勢6名!
しかも皆様すてきで知性的な方々ばかりで恐縮しっぱなしでした。
最初からきちんとした読書会を開催することができたのは皆様のおかげです。

重ねてお礼を申し上げます。
下準備も大変で、気が小さいもので何度も勝手に心が折れそうになりましたが、勇気を出して開催してよかったです。
せっかくなので、そんな第一回北品川読書会の振り返りを行います。
第一回 北品川読書会振り返り 前編
1.読書会のテーマは「はじめて」。
今回のテーマは「はじめて」でした。「はじめて」にまつわる様々な本を皆様に持ち寄っていただきました。
『読書会入門』山本多津也著
『自分の中に毒を持て』岡本太郎著
『乞食の子』頼 東進著
『100万回生きたねこ』江國 香織著
『タバコ天国』矢崎泰久著
『それしかないわけないでしょう』ヨシタケ シンスケ著
『世界を平和にするためのささやかな提案』黒柳 徹子ほか著
今回は前編、最初の3名の話をまとめます。
2.読書会を語る『読書会入門』『読書会のすすめ』。
『読書会のすすめ』深川 賢郎著
最初に簡単に参加者のみなさんで自己紹介を行ってもらい、本の紹介に移りました。
まずは開催した私より『読書会入門』『読書会のすすめ』の2冊を紹介させていただきました。
最初に私から口火を切ったのは、つたない私の解説を聞いてもらい、皆様にリラックスしてもらうためです。
この2冊を選んだ理由は私が「読書会をひらくために学ぶため」そして「はじめて読書会に参加される方への説明」を兼ねてでした。
JPIC読書アドバイザーの読書会立ち上げから10年にわたる活動の記録と実践。「読むことは根を育て、書くことは実を育てる」の意識を基に、豊かで充実した読書を追及する。
ということで、広島の高校で校長先生を勤め上げた後に、そのあとに読み聞かせや読書推進活動などを行うJPIC読書アドバイザー(一般財団法人出版文化産業振興財団)や読書指導など読書活動の活性化に尽力された方です。
この方が所属する読書会は広島の市立図書館とタイアップして選書し、地域の読書活動の活性化の役目も果たしています。
私より、この本で印象的だった読書会が持つ「いやしの効果」、「参加した人が笑顔になれる」など読書会の魅力を語らせていただきました。
またこの本で出てくる読解の三段階法「素材読み→文法読み→表現読み」なる読み方を紹介し、皆さんでどのような読み方なのかを妄想しました。※読解の三段階法は藤原与一著『国語教育の技術と精神』から引用されています。
『読書会入門』山本多津也著
日本最大の読書会、猫町倶楽部の主宰をされている山本多津也さんが書かれた本。なんと年に200回近く読書会を開催し、年間9000人もの人が参加しているという規模の大きなものです。
そんな猫町倶楽部も最初はたった4人の仲間でカーネギーの『人を動かす』からスタートしました。
猫町倶楽部の歴史を語り、この北品川読書会のこれからの道筋、夢を語りました。
猫町倶楽部は仮装して読書会を行ったり、男女の出会いの場でも有名で、懐の広さと、ユニークな遊び心のある読書会で皆さんも興味津々な様子でした。
参加者のMMさんは過去に猫町倶楽部に参加した経験があり、会場を借り切っての大規模な読書会は圧巻とのこと。一度、大勢の読書会を見てみたいです。
懇親会も大勢で開催しているようで華やかですね。
特に印象に残った山本さんの読書会のリーダー像は「“飲み会の幹事“で良い」という一言でした。
無知で無学で、本に救いを求め読書会を開催した私にとっては気持ちが楽になる言葉でした。私も「飲み会の幹事」として読書会を続けていければと思います。
そして、最後にこの北品川読書会の夢を語りました。
・分科会も活発にして、大人が真剣に遊べるサロンを作りたい。
・近所の方がフラッと参加できるような優しい会にしたい。
・しっかり勉強会もやってみたい。
・本の交換会をしたい。
・他の読書会ともつながって交流してみたい
結局、私の思いが暴走して20分ほど話しまくってしまいました。反省です・・・。
2.覚悟と情熱を学ぶ『自分の中に毒を持て』岡本太郎著。
続いて、会社の後輩で読書会の準備を手伝ってくれたYYくんより岡本太郎著『自分の中に毒を持て』を紹介してもらいました。
1940年の第二次世界大戦中のパリで芸術を学んだというエピソードは面白かったです。先の見えない不安定な時代でも自分を貫き活動を続けた岡本太郎さんの人間の強さに感嘆しました。
YYくんはこの本を学生時代に読んで感銘を受けたらしいです。
彼が芸術学校で油絵を専攻したかったという話は、はじめて知りました。長い付き合いになりますがまだまだ知らないことがたくさんあります。油絵の学校は入学するのがとてもむずかしい、という話もはじめて聞いて驚きました。
話は「川崎市に岡本太郎記念館」。岡本太郎さんはお金持ちの子供だった。
とかく「芸術は爆発だ!」という変わった人扱いされることが多いですが偉大な芸術家だった、など様々な話で盛り上がりました。
本をペラペラッとめくって目についた「相手の中から引き出す自分 それが愛」という意味深な言葉も考察しました。謎ですね。
「岡本太郎さんの言葉は強力で説教臭くなく、背中を押してくれるけどなかなか現実には難しいですよね・・・」とYYくん。
生きるのに迷ったり、悩んだりした時に勇気づけてくれる一冊です。
ちなみに、参加者のFSさんは1970年の大阪万博で太陽の塔の中に入ったことがあるとか。
太陽の塔の腕がエレベーターになっているという話をしてくれましたが、うまく想像できなかったです。今も予約すれば『太陽の塔』に入れるようです。機会があれば入ってみたいですね。
不条理の中で強く生きる『乞食の子』頼 東進著。
次はYTさんより、台湾の作家 頼 東進(ライ トンジン)さんの『乞食の子』。
2006年出版の本で台湾で100万部のベストセラーになった本だそうです。台湾の人口は約2300万ちょっとなので相当な良書ということが伝わってきました。
物語は窮極の逆境を生き抜いた少年の驚嘆の記録
著者は乞食の家庭に生まれ、父は全盲、母と上の弟は知的障害者であった。一家は物乞いをしながら暮らしを立て、十年間も墓場を寝床にしていた。三度の食事にも事欠き、犬の餌をあさるような逆境の中でも、長男である著者は勇気と希望を失うことはなかった。勉強し、仕事に励み、家庭の面倒を見続けたのである。学校では模範生に、職場では工場長にまでなり、ついに家族全員の生活を安定させることができたのだった。
このような物語で、一見重そうですが明るくたくましく生きる主人公に勇気と感動をもらえるそうです。
紹介してくれたYTさんによると、カフェで読んでいて、ボロボロ涙が出てしまいお子様が驚いたそう。
また家にあまり本を置かないそうですが、図書館で借りて返したあとに、本を購入してしまったとの事。強力なヒキのあるお話、ありがとうございます。
著者を学校に通わせるために姉が身売りし、その姉を買った男の近所話を聞いてしまうエピソードがあるらしいのですが、不条理極まりないです。貧しさによって、身を切るような痛みを味わいます。
著者は1959年生まれで、第二次世界大戦後の混乱する台湾で生きていたと思います。たくましく生き抜き、今は立派に家族を守る強さを得たようです。
参加者のYSさんは昔、台湾旅行した時にそういった貧しい街を見たことがあるらしいです。幼い時でしたが強烈な思い出となって今も焼き付いているらしいです。
我々は、安心して学べる環境に感謝すべきかもしれませんね。
生まれや運命は選べませんが、生き方は自分で選べます。
道を切り開く主人公の強さを私も学びたいです。
本の表紙はかわいらしく、そんな骨太な内容が書かれているとは想像できませんね。
YSさんの本は日当たりの良い場所に置いてあってきれいに日焼けしていました。
岡本太郎さんといい、頼 東進さんといい、悩んでいる自分が情けなくなってきます。人の根源的な強さを考えさせられました。
ちなみに作者の頼東進さんの顔を見ようと画像検索すると、東進ハイスクールの学生さんがたくさん出てきました。
とにかく『乞食の子』。
私も図書館で探してみます。
という事で前編はここで終了。
次回は後編をまとめます。
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